• 2010/8/7(土) 午前 0:17 投稿 Yahoo! JAPANブログ『介護福祉実践の哲学』「こころの中のあこがれの人」





 わたしが小学生だった頃のこと

 誰もいない神社の境内で

 回転遊具に乗って遊んでいたところ

 
 近くの通りを女子高校の生徒数名が

 なにやら楽しげに会話をしながら下校してきた


 すると突然その中の一人が


 『ちょっと待ってて!』


 と言って

 急にわたしの方へ駆け寄って来るなり


 とても真剣な面持ちで


 『わたしも一緒に乗せて』


 と願い出たのだ


 わたしはとても驚いたが

 同時に

 とてもうれしかった


 『いいよ!』


 と首を縦に振って

 楽しんでもらおうと

 渾身の力を込め

 回転遊具を回した


 その女子高校生は

 数回一緒に回ると


 とてもほっとしたような

 満足げな表情で


 『ありがとう!』


 と言って

 通りの歩道で待っていてくれた友達の方へ

 急いで駆け戻っていった


 わたしは


  『もっと一緒に乗っていてくれれば良かったのに』


 と物足りなさを感じたが


 『友達を待たせていたのだから

 しょうが無かったんだ』


 と自らに言い聞かせた


 それから

 しばらくその女子高校生のことを想っていた

 そして

 子どもながらに


 『きっとあのお姉ちゃんは卒業が近いんだろうな

 だから

 いつも

 通りかかって見ていても

 乗ったことがなかったので

 一度乗っておきたかったんだろうな』


 と思った


 わたしの人生の中では

 ほんの一瞬の出来事だったが

 あのときの女子高校生の多感な純真さにとても惹かれ

 いまでもその場面と共に

 その面影を想い出す


 もう

 40年以上は経つだろう

 しあわせでいてほしいな

 わたしのこころの中のあこがれの人